手作りの旅ノート、そして日々の暮らし

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120129 椿姫@ベルリン・ドイツ・オペラ

この劇場に来たのは3回目。これまでで最も出来が良かったと思います。
ほぼ満席で、上演自体のレベルも高水準。ベルリンでオペラを見るなら、このぐらいの手応えは是非、欲しいところです。

「椿姫」はオペラファンにとっては、マストと言ってもいいほどのポピュラー演目ですが、私は実は、この作品が大して好きではなく
劇場で上演されていても、これまで足を運ぶことがなかったのです。

でも今回の旅程では、シラー(リンデン)劇場が、これまた私の守備範囲外な「バロック週間」であること&
せっかくベルリンを経由する日程を組んだのに、オペラナシで帰るのは、あまりにも寂しいワ、ということで
「こんな機会でないと、もしかしたら一生、実演で見る機会がないかも^^;」
と、チェックを入れたのでした。

席は右側サイドボックスの一番前の列。ベルリン在住の、盟友びよらさんが手配して下さった席でしたが、舞台に近くて良く見えるし、いい場所でした。
この場を借りて、びよらさんにはお礼を申し上げます。ありがとうございましたm(__)m

でも音は、頭の上をすり抜けて行くような感じ、ダイレクト感に欠けます。開放感のある劇場の作りですから、これは仕方ないのかも。

あまり好きではない「椿姫」に、足を運ぶ気になった理由のひとつは、アルフレードにヴィットリオ・グリゴーロがキャスティングされていたこと。
グリゴーロは、去年6月にスカラ座で「ロメオとジュリエット」でロメオを聴いた時の、あの、耳をつんざくような^^;大声と、時と場合によってはコミカルに見えてしまうほどの大げさ ⇒ 熱い演技は印象的でしたから、機会があれば、もう一度聴いてみたいと思っていました。
直近で、ロイヤルオペラでもアルフレードを歌っていたそうですが、2回目の公演を風邪でキャンセルしたと聞いていたので、彼が歌うのかどうか、五分五分かもな~~と思ってましたが、大丈夫でした。

(開演前に「グリゴーロはロンドンでの公演を一度休み、ここベルリンでの公演に備えてくれました」というニュアンスのアナウンスがありました^^;←ドイツ語だったので、確実ではないけど、恐らくこういう意味のことを言ってたと思います。お客さんがオオウケしてたもんで)

そんなグリゴーロですが、決して音響がいいとは言えないここの劇場でも、よく声は通ってました。
見た目も良いので、育ちの良い、世間知らずの甘ちゃんっぽい感じが合っていると思います。

それと、今回はオケと指揮がびっくりするほど上手く(実はコレが一番の驚きだった^^;)いかにもヴェルディらしい旋律美を堪能できたのですが、
時折トロヴァトーレっぽい、ブンチャッチャな感じ?が、何度も聞こえてきたけど、それって実は、アルフレードの旋律に多用されてるんだなぁと。
そういうところの歌い回しが上手いと思いました。この辺りのリズムの取り方は、やはりイタリア人ならではかも。

ロメオの時には、もう少し甘さがあってもいいんじゃないかなぁ?と思いましたが、今回はそういう風には思いませんでした。まあ、役的にはアルフレードの方が、直情的というのもあるかな。
ご本人はマンリーコは、まだまだ先だと仰っているそうですが、合っていると思うんだけどなぁ~~

*******************

演出はゲッツ・フリードリヒ。’99に出されたものですから、最晩年に近いものではないでしょうか?
これはとても良かった◎です。
‘70年代前半に出された、去年のフィガロの時も思いましたが、やっぱり優れた演出家だと思います。死後10年以上経っても尚、その演出は未だ、色あせてはいないですから。

シンプルで、場面場面での光の使い方が実に上手い。
特に2幕後半の夜会の場面
(ヴィオレッタと別れたアルフレードがやけくそになって、札束を投げつけるまでのくだり)
の、貴族のえげつなさを、裸のお姉ちゃんとかを使わないでも、赤と黒の衣装と光の使い方と、人の動かし方で、すごい醜悪観を醸し出してたのには感服しました。
それから3幕で、死にかけたヴィオレッタが目にする、パリのカーニバルの場面も、赤と黒の光がフラッシュする中、大きなカカシのような人形がパントマイムする…というのも。

オケも指揮も良く、演出もケチのつけようがないぐらいでしたが、なんとなく消化不良気味…
やはりタイトルロール(マリーナ・レベカ)と私の相性が、あまり良くなかったからかな(⌒-⌒; )

いや、下手ではないのです。声もきれいだったし、破綻なく歌っていたし、傷になるようなところは一箇所もなかったんですが、どうも彼女の独白とかの長丁場になると、眠りの精がやってきてしまって(・・;)

見た目は、遠めにはネトレプコみたいな感じで、むっちりマダミィな雰囲気。
「お姉さんヴィオレッタ&年下のかわゆいアルフレードだわね…」と思っていたんですが、彼女の方が、グリゴーロよりも若いんですね^^;

なんだろう…アルフレードに完全に心を預け切ってないとでも言うのかな、どこか冷めた感じで、熱いグリゴーロとのケミストリーも今一つだった気がします。残念ながら、私には歌心不足に思えて、気持ちが全く伝わってきませんでした。。。

また、彼女は声量充分だという評判でしたが、弱音になると、極端に聴こえ方が悪くなる気がしました。席のせいかな?とも思ったのですが、強弱の激しさでは、グリゴーロも同じく…なんですが、彼は弱音でも聴こえましたし。

でもお客さんは大喝采だったし、本人もカーテンコールでは万感の思いで答えてる風だったけど、そういうのをみていると、ますます白けてくる感じ…

じゃあ誰でヴィオレッタを聞きたいかと聞かれたら…うーん、スカラの「ロメ・ジュリ」で、グリゴーロとベスト・カップルを演じたニーノ・マチャイゼの方が、彼との相性は断然良かった。彼女はヴィオレッタは、歌わないのかな?

そうそう。
ヴィオレッタの侍女・アンニーナって、年配の女性が演じるイメージが強かったのですが、今回はすっごく可憐で可愛らしくって、楚々とした感じの若い方で、好感度大◎でした(*^_^*)

お名前をチェックしたら、昨年の「フィガロ」でスザンナを歌っていたMartina Welschenbach。なるほど~~と、納得。
声はともかく、見た目的には彼女の方が、いかにも儚げなヴィオレッタの雰囲気に近い感じと思いつつ、見てました(笑)

************************************
Musikalische Leitung : Stefano Ranzani
Inszenierung : Götz Friedrich
Bühne: Frank Philipp Schlößmann
Kostüme : Klaus Bruns
Licht : Ulrich Niepel
Chöre : William Spaulding
Choreographische Mitarbeit : Klaus Beelitz

Violetta Valéry : Marina Rebeka
Alfredo Germont : Vittorio Grigolo
Giorgio Germont : Alexandru Agache
Flora Bervoix : Rachel Hauge
Annina : Martina Welschenbach
Gaston : Burkhard Ulrich
Baron Douphol : Stephen Bronk
Marquis D’Obigny : Krzysztof Szumanski
Doktor Grenvil : Jörn Schümann
Giuseppe : Paul Kaufmann
Ein Bote : Hyung-Wook Lee
Ein Diener bei Flora : Holger Gerberding

Chor der Deutschen Oper Berlin
Orchester der Deutschen Oper Berlin

120129 椿姫@ベルリン・ドイツ・オペラ」への6件のコメント

  1. Sardanapalus
    2012/02/05

    今季ヨーロッパ冬の旅パート2、ですね。旅行記楽しみです♪

    私も「椿姫」は好きじゃないのですが、グリゴーロなら喜んで見に行きます!(^^)
    >グリゴーロはロンドンでの公演を一度休み、ここベルリンでの公演に備えてくれました
    そうそう、インフルエンザだったとか?ロンドンのオペラファンががっかりしていましたっけ。ベルリンで歌うためだったのね~ナンチャッテ。

  2. keyaki
    2012/02/05

     ヴァランシエンヌさん恒例の海外旅行にたまたまグリゴーロの公演がぶつかるとは、なんと運がいい(私にとってはですけど)….実は、お正月休みの時期に、よく海外にお出かけになるので、もしかしたらボエームに…と思っていたんですけど。
     昨年のDOBでの椿姫は、グリゴーロ、ヌッチ、チョーフィ、というオールイタリアンキャストでしたが、2公演のうち1公演を風邪でキャンセルしちゃったので、ベルリンの人たちをずいぶんがっかりさせたようです。今回は、ボエーム2公演、椿姫3公演でしたが、直前に3回目の2月10日の公演をキャンセルしたんですよ。代役は、マチェラータでファウストだったTeodor Ilincaiになってます。体調不良だけではなく、けっこうキャンセルの多いグリゴーロなので、グリゴーロが出るからというので、チケットをとったヴァランシエンヌさんにとっても、やっぱり運が良かったということですね。私もヴァランシエンヌさんのレポートが読めて嬉しいです。
     椿姫関連の記事を書いたら、リンクさせていただきたいと思いますので、そのときはよろしくお願いします。

  3. ヴァランシエンヌ(Valencienne)
    2012/02/05

    サルダナさん:

    そうそう、事前に椿姫さんのブログをチェックしつつ「ベルリンでは、ちゃんと出てよね~~」と、ちょっとドキドキしてました^^;
    当日ギリギリまで、ネットでキャストのチェックしてたので(笑)

    こういう、いわゆる「プリマドンナ・オペラ」があまり好きじゃないんですが、今回は特に、グリゴーロが出てなかったら、面白さは半減したと思うので、やっぱりアルフレードも重要なんですよね。
    記事では触れませんでしたが、パパジェルモンのAlexandru Agacheも、なかなか良かったですし、水準の高い上演を一度聴いたので、もう、よほどのことがない限り(笑) 実演でこの演目は聴かない…と思いますが(^_^;)

  4. ヴァランシエンヌ(Valencienne)
    2012/02/05

    keyakiさん:

    わわっ「聞いてきましたよ~」のご挨拶に伺わなければ…と思いつつ、バタバタしてたので、keyakiさんの方からいらして下さって嬉しいです。ありがとうございます~☆彡

    グリゴーロの公演が一つ減ったことは、チケットを手配して頂いた方から伺っていたのですが(イリンカイ君に代わったんですね^^;)体調さえよければ、初日なので、きっと出てくれるだろう…とは、思ってました。
    どうしてもDOBのほうはいつも後回しになってしまうので、好きなシラー劇場がバロック週間でなければ、また見送ってしまった可能性大だったんですけど、行って良かったです。

    まあ、昨年のスカラと今回と、2回聴きに行って、両方ともちゃんと歌ってくれたということは、確かに私、運がいいのかな(笑)

    カテコの写真撮影にもチャレンジしたんですが、今のカメラはけっこう性能もいいんですが(月食の時の、お月さまの写真も撮れたぐらいですから)
    ど~~~~~しても、うまく撮れた試しがなく。。。すみませんm(__)m

    >リンク

    もちろん、どうぞどうぞ!!宜しくお願いします:)))

  5. びよら
    2012/02/08

    いえいえいえいえ、DOBもシラーも(期限付きだけど)すぐ近所だからお安い御用です。
    またいつでも手配しますよ~!

    ちゃんと舞台が見れてよかった~。
    オケが良かった、とは驚きw(゚o゚)w   ← (^▽^;)

    グリゴーロさんは私も一度聴いてみたいです。それにしても、一緒に行きたかったなぁ。

  6. ヴァランシエンヌ(Valencienne)
    2012/02/09

    びよらさん:

    良いお席を手配して頂いて、ホントにありがとうございました~~(美女会合についても、まとめなくちゃね!^^!)
    視界的には全く不満はなかったんですけど、記事にも書いたように音が上のほうに抜けるような感じだったのは、まああそこのオペラハウスだから、仕方ないかもね。
    でも充分、許容範囲でした^^

    >オケが良かった、とは驚きw(゚o゚)w   ← (^▽^;)

    そうでしょう、そうでしょう。
    私はドイツオケでヴェルディを聴くのが好きなので、そう感じたのかもしれませんけど、
    ヴェルディにはあんがい、向いているのかもしれません。まあ、オケは指揮者の腕にもかかっているので、一概には言えないけど、本当に満足できましたよ(^^)v

    ほっといても、またベルリンには行きますから(笑)
    次回は、シラーにもDOBにも、ご一緒しましょうね♪

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